紅葉のトンネル信越トレイルと小菅神社奥社

10月23日〜26日 6名

 信越トレイルは長野と新潟の県境の関田山脈の尾根沿い延長80kmのトレイルで、6つのセクションに区切られている。

このトレイルを2014年はセクション3の一部、桂池〜黒岩山往復、セクション4の一部、関田峠〜黒倉山・鍋倉山往復、

2015年はセクション1の全コース斑尾山〜赤池、セクション2の全コース赤池〜涌井、2017年はセクション6の一部、深坂峠〜天水山を往復した。

今年は6つのセクションのうち、まだ歩いていないセクション5の一部、関田峠〜牧峠を2日目に歩くことにした。

このコースは昨年雨で峠への道が崩れ、断念したコースでもある。加えて、初日に毛無山、3日目に昨年、途中で引き返した小菅神社奥社、

4日目は2015年に小雨で展望がなかった袴岳と欲張った日程になった。




コース図 セクション4(仏ヶ峰登山口〜関田峠)、セクション5(関田峠〜伏野峠)、セクション6(伏野峠〜天水山)

コース図の青い実線は今回歩いたコース、青い点線はこれまでに歩いたコースを示す



コース図 セクション1(斑尾山〜赤池)、セクション2(赤池〜涌井)、セクション3(涌井〜仏ヶ峰登山口)

10月23日(火)1日目 毛無山

東飯能駅東口9時集合。平井車に小俣さん、高橋さん、澁井車に松原さん、祐子が乗り出発。

狭山日高ICから圏央道・関越道・上信越道を走った。

途中、高坂SAでコーヒー休憩、佐久平PAで昼食休憩を取り、

上信越道豊田飯山ICで高速道路を下りて一般道と野尻湖を見下ろす山道を

走り、毛無山に登るため希望湖(のぞみ湖)の駐車場へ向かった。

 毛無山は2015年に歩いたセクション2のコース上にあり、希望湖から頂上まで急登がなく、

ハイキング気分で登れる足慣らしに最適な山だ。

 登山口から紅葉を楽しみながら40分程で山頂に到着。

山頂で記念撮影をして展望が良い場所に移動し、飯山盆地と志賀の山の景色をしばし眺め下山した。


希望湖からの斑尾山           毛無山登山口を思い出した           紅葉の中を登る


林に囲まれ展望がない毛無山山頂

 
    志賀の山と飯山盆地を眺める   樹間から斑尾山、下に希望湖が見える

希望湖駐車場を後にして今日の宿、中野市のルートイン中野に向かった。

夕食は外に出るのが面倒なので、ルートインのレストラン「花茶屋」で済ませた。

 10月24日(水) 2日目 セクション5 関田峠〜牧峠

今日は登山口まで送迎付きの宿、戸狩温泉の民宿寿番館に宿泊する。

宿には9時前に着き、直ぐに関田峠に出発する旨を伝えておいた。

ルートイン中野を8時30分に出発、途中のコンビニで昼食を調達して9時前に寿番館到着すると、

宿の主人高橋さんがマイクロバスの前で待っていた。

関田峠と牧峠間の携帯電話の電波状況は、ガイドブックによると良くないようだ。

牧峠への迎えは、どの辺りから連絡すれば良いか確認すると、牧峠まで4時間見れば良いと言われた。

関田峠に着いた時点で迎えに来る時間を決めることにした。

マイクロバスでセクション5のスタート地点、関田峠への山道を登るにつれ紅葉が目に飛び込んできた。

関田峠に着き、牧峠に迎えに来る時間を、余裕を見て14時に決めた。

関田峠は2015年にセクション4 黒倉山・鍋倉山往復、茶屋池周辺散策でお馴染みの峠だ。

今回のコースはガイドブックよると、途中アップダウンがあるが、牧峠に向かって緩やかに下る

2時間程度のコースなので、急がず紅葉を楽しみながら山歩きが出来そうだ。



関田峠 セクション5スタート地点       道幅が広く、落ち葉が足に優しい

    頭注意は関田峠から連続する     深く切れ込んだ窪地をどのように下るか


絡み合うブナ                    牧の小池

道の右側に小さな池が現れた。この池はモリアオガエルが生息し「牧の小池」というらしい。

牧の小池から平坦な道がしばらく続き、牧峠への下りが始まった。




        平坦な道は気分が良い    牧峠への下りだ 滑らないように注意して


また下りだ              牧峠の上に到着

牧峠の標識から舗装道路に下りた所が本当の牧峠だ。セクション5はさらに道路を横切り花立山、

宇津ノ俣峠を越えて伏野峠まで続くが、私達のセクション5は送迎可能で良いとこ取りの牧峠が終点だ。

昼食の時間が過ぎたが峠に広場がない。新潟県側から吹く風が峠を吹き抜け寒い。

風が当たらない道路の縁を探し、コンビニで調達したお握りと平井さんの具沢山味噌汁で昼食をとった。

 昼食が終わり、しばらくすると約束した時間より早く、迎えのマイクロバスが上ってきた。

 寿番館に戻り、温泉に入ったらと言われたが、まだ早い。飯山市内見学に出掛けることにした。

昨年と同様に高橋まゆみ人形館に駐車し展示試作館の純金極楽トイレ、

妙専寺でレルヒ少佐より一本杖スキーの技術を習得し飯山に普及した市川達譲翁の銅像を見て、

雁木通りから駐車場に戻った。次に、飯山駅近くに建つ仁王門を見学した。

善光寺の仁王門が消失し明治45年のご開帳に間に合わせるため飯山仏師が1ヶ月で製作しご開帳に間に合わせたという仁王像なのだ。

 夕食は、地元の深雪ポークのしゃぶしゃぶの他に沢山の料理に手打ちソバが並び小俣さんを除くシルバーには多すぎる内容だった。



紅葉に満足紅葉に満足

10月25日(木) 3日目 小菅神社奥社〜北竜湖〜小菅神社里宮

 昨年、午後に雨が止んだので小菅神社参道の杉並木を見に行き、奥社まで1260mの表示を見て登り始めたが、

小さな沢に掛かる太鼓橋を歩くと壊れそうなので引き返した。太鼓橋について寿番館の高橋さんに確認すると、

「小・中学校の遠足で登っているので直っているはず」との返事だった。安心して奥社に行けそうだ。

小菅神社は役行者が開山、かつて戸隠、飯縄と並ぶ北信濃の三大修験場として繁栄したようだ。

奥社は小菅山(1047m)の標高約840mの場所に建てられている。

車で三の鳥居まで一直線に上る道路の両側に民家が並んでいるが、昔は多くの僧坊が並んでいたようだ。

三の鳥居の近くの杉並木の隙間に駐車して、三の鳥居を潜って奥社へ続く杉並木の参道を登った。

昨年は雨上がりで参道の石が滑りやすかったが、今日はその心配がない。



    
       三の鳥居         樹齢300年と言われる杉並木の参道を登る


       参道が狭く急になってきた    御座石(役行者、弘法大師が座ったと言う)


   石畳から山道になった         太鼓橋は補修され、無事渡れた

岩壁がそそり立つ愛染岩を過ぎ、昨年引き返した太鼓橋に着いた。

橋は渡る人が足を踏み外さないように板が置かれ、安心して渡ることが出来た。

 不動岩で休憩。不動岩は谷を隔てた岩壁に弘法大師が筆を投げて梵字を書いたとされ、筆を投げたとされる場所にしめ縄が張られていた。

 高野山には弘法大師が中国から帰国の際、「三鈷杵」を投げ、高野山の松の木に引っかかったとされる伝説と似たような話だ。



  不動岩近くの紅葉が素晴らしい   不動岩 ここから弘法大師が筆を投げた

奥社まで100m地点に着くと、松の木に「右 参道急斜面」「左 緩斜面迂回路」の表示が付けられていた。

登りは右の急斜面の参道を行き、下山は迂回路を下ることにした。

 急斜面の参道は、鎖場を登り、左が崖の狭い道だったが、修験者が登る道なので険しくて当たり前なのだろう。

上を見ると社殿らしい建物が崖の上に建っていた。奥社のようだ。


     
        不動岩で休憩      奥社まで100m(右参道急斜面、左迂回路緩斜面) 


  鎖場を登る             鎖場に続いて狭い道

見上げると建物が 奥社のようだ   見上げると建物が 奥社のようだ

更に登る奥社に到着。奥社は前が崖、後が岩壁の狭い場所に建てられ、後は岩に密着するように建てられていた。

ネット調べると、急峻な崖や山の斜面にへばりつくように建てられた寺院建築を「懸造り(かけづくり)」と言うらしい。

掛造りの寺院には清水寺本堂、東大寺二月堂や鳥取県三仏寺投入堂など多くあり、千葉県の笠森寺もその一つだったとは、知らなかった。

 それにしても、ゆっくり登って1時間30分も掛かる小菅山の急傾斜地に奥社を建てたことに、古の人達の信仰心とパワーに感心した。



小菅神社奥社で記念撮影

奥社に参拝し記念写真を撮り、下山は緩斜面の迂回路を下り、愛染岩まで下った。


   遠くに千曲川が見えた           愛染岩をバックに記念撮影

 昼食は愛染岩で、岩の下には愛染明王が祀られ、熊野本宮大社のお札が置かれていた。

平井さんからの北竜湖を見て三の鳥居に戻る提案で、途中から右に折れて山道を下った。

山道を下り、しばらくすると道の両側がブナの林になった。信越トレイルと標高の違いだろうか、ここのブナはまだ紅葉していない。

 北竜湖を周回する道路に出ると、湖面が下の方に見える。建物が見える方向に下り、湖畔で秋の陽を浴びてコーヒーで、のんびり休憩をした。


静かな北竜湖をバックに記念撮影

奥社を参拝したので里宮も参拝することになり、小俣さんがスマホでルートを確認して、小菅集落への山側の道路を歩き、里宮に着いた。

 里宮は立派な社殿だ。この社殿は大正12(1923)年に大改修されたようだ。

社殿の前には神楽殿、右に神輿殿、左に神馬殿が建っていた。里宮の下には阿弥陀三尊像が安置される講堂が建っている。


里宮の社                 殿 講 堂


今日は良く歩いた 三の鳥居に戻り記念撮影

里宮と講堂を見学後、車で上った三の鳥居への道を上り、三の鳥居で写真を撮り、仁王門を見学して今日の宿、戸狩り温泉の「かのえ」に向かった。

「かのえ」は、初めて信越トレイルを歩いた2014年に泊まった宿で、部屋が綺麗で、食事も美味しかったので今回も選んだ。

「かのえ」に電話したとき電話に出た人の名前を確認すると、「かのえ」と返ってきたので名字は「庚」のようだ。

  
     
仁王門               仁王門に祀られる金剛力士像


今日も満足の一日でした


10月26日(金)4日目 袴岳

 「かのえ」の主人から聞いた話では、飯山では成人式を迎えるとブナの苗木が贈られるそうだ。

そのブナを植えて40年経っていると言われ指さす方を見ると、幹が細く1階の庇の高さ程にしか伸びていない。寒いので成長が遅いのだろう。

袴岳は2015年に万坂峠から赤池を歩いた時に登ったが、頂上に着いた頃に小雨が降り出し、全く展望がなかった。

今回は、赤池に駐車して短縮コースで登り、頂上からの展望を楽しむことにした。

宿を8時30分に出発して赤池の駐車場に到着。駐車場から見る紅葉は、2014年の時より染まっていないように感じた。

 
紅葉に囲まれた赤池 袴岳登山口

袴岳登山口は車で下ってきた道を戻り、セクション2の登口より100mくらい手前にあった。山道は所々に階段が付けられ、道幅が広く整備され歩きやすい。

 
紅葉を眺めながらハイキング気分

 
今日も紅葉のトンネルだ       袴岳?登ったら手前の山だった

袴池を左に見て進むと分岐に到着した。分岐を右に登れば袴岳、直進すれば万坂峠、ここでセクション1のコースと合流したのだ。

袴岳へは緩やかな登りで、紅葉を眺めながらハイキング気分だ。視界が開け、向こうに見える山が袴岳と思って写真を撮った。

写真を撮った山に登ると頂上の感じがしない。歩くうちに下りになった。袴岳はこの山に遮られ、登ってきたルートから見えないのだ。

いったん下り、登り返すと前方が開け、間もなく頂上だ。


 
  ブナの紅葉が素晴らしい      袴岳の山頂と思ったら、下りだ

 
      もみじの紅葉も綺麗だ     登り返すと前方の視界が開けた 山頂だ


妙高山をバックに




ブナの林の山頂は北信の山の方向が大きく開けて見晴らしが良い。正面に特徴がある形の妙高山は分かるが、連なる北信の山の名前が分からない。

帰宅後、山名を同定して平井さんが送ってくれた写真で、妙高山の右奥に火打山の頂上部分、左に乙妻山、黒姫山が見えたことが分かった。

展望を楽しみ、昼食をとり下山。下りは、登りで気付かなかった紅葉が見られ、のんびり気分で下った。

  
袴岳山頂のブナ林                    -イ 後を向いて                     袴池の紅葉

赤池駐車場に戻り14時過ぎに出発。野尻湖の湖畔を通り信濃町ICから上信越道を走ると電光表示に松井田妙義付近で車両火災による渋滞情報が見えた。

小布施PAでコーヒーを飲みながら、平井さんと現場を通る前に渋滞が解消しているだろうと話していた。

佐久平PAで2回目の休憩をとる前には、渋滞の距離、通過時間が長くなった。

多分、上り線の帰り車が増えたためだろう。結局、渋滞で30分近くロスしてしまった。

藤岡JCTから関越道に入ると、また渋滞30Kmの表示が、高坂SAで松原さんが平井車に乗り換え、

私と祐子はそのまま帰宅する予定を寄居PAに変更し、平井車と分かれた。


天候に恵まれ、紅葉を満喫した4日間、お疲れさまでした。

セクション5 関田峠〜牧峠 ルートラボ https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=67c2c04528bc16d0193f657e9e4aede1


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